発達障害・定型発達の子どもたちを育てている二児の母です。
この記事では、発達障害児の子育てに役立つ本の中でも、
「日常の声かけ」を具体的に変えたい人におすすめの一冊を紹介します。
子どもにも育てる側にも効く、そのままのことば集
著者の大場美鈴さんは、長年にわたって、ご自身の発達障害のある子どもへの関わり方を、自作の支援ツールなども含めて広く発信しているお母さんです。
公式サイトには、おうちで子どもとコミュニケーションをとったり、苦手なことを支援するツールなどが公開されています。ぜひご参考ください。
さて、この本の特徴は、
子どもに対して、とにかく具体的な声かけのOK・NG例が辞典のごとく豊富なこと。
「こういうとき、どう言えばいいのか」が一目で分かる構成になっています。
抽象論ではなく、そのまま日常で使える言葉が手に入る本です。
また、もう1つの大きな特徴は、
育てる側の心の中を整頓し、自分に言い聞かせる言葉も揃っていること。
子どもを育てている間に起きる様々な葛藤やモヤモヤに「自分もそうなのよ」と寄り添いながら、「こう考えるといいよ」と手を差し伸べてくれます。
子どもや親のケアになるコミュニケーションのヒントがここに
子どもに対して
「ちゃんとして」
「なんでできないの?」
といった言葉をかけてしまうこと、ありますよね。
でもこれ、実は
何をどうすればいいかがはっきりしておらず、相手に自分のイライラをぶつける風味が強い言葉なんですよね。
この本では、
- 曖昧な言葉を具体化する
- 行動レベルに分解する
- 子どもが理解できる形にする
といった工夫が、ふだん言葉でわかりやすく案内されています。
すぐに実践できることが見つかり、子どもに対してだけでなく、周りの人たちへの接し方も変えるきっかけが生まれるのではないでしょうか。
よかったと思うところ:等身大のかーちゃん
この本のいいところは、
テクニック集のような冷やかさがなく、どこかにいる怒りっぽくて失敗もする「かーちゃん」として書かれている点だと思っています。
わたし個人的に思うことなのですが、
子育ての現場を知らない専門家の言葉よりも、少し先をいった先輩ママの話のほうがスッと入ることって、すごくあります。
スーパーマンからの正論じゃなく、自分たちの苦労も知っている上で、コツコツ積んできた人の話が聞きたい。そこをがっちり10年以上やっているのが大場さんなんですよね。
地域に大場さんのような療育的子育ての実践者がいて、みんなに話をシェアしてくれたら一番いいなと思うのですが、
この本は、地域で実現しづらいこういう部分を補ってくれる好例であるように思います。
こんな人におすすめ
- 子どもに何度も同じことを言って、イライラしている人
- 発達障害の子どもへの関わり方を具体的に知りたい人
- 「優しく言っているのに伝わらない」と感じている人
- ふだんの生活の中で、子どもの行動を変えるためにできることを知りたい人
- 子育てをがんばっている自分の心のケアを求めている人
「この子にどう関わればいいんだろう」と悩んでいる段階の方にとっては、
難しい理論よりも、こうしたすぐ使える辞典が大きな助けになるはずです。
言葉を変えると、関係が変わる
今回紹介した「声かけ変換」については長年わたしも家庭で取り組んでおり、
子どもとよい関係を築いていく上で大きなテーマだなと感じてきました。
そこで先日、カードゲーム「言いカエル」を使ったワークショップという形でシェアを試みました。
安心できる場所をつくって、言葉の言い方を変える遊びをすると、
思わず笑いが生まれて空気がゆるむ瞬間があり、その様子をnoteにまとめています。
子育てに限らず、言葉を別のニュアンスで言い換えてみることは、
固まった思考の枠をマッサージするような働きがあるなと思っています。


