(これは、かれこれ5年ほど前のはなし)
通っている空手道場には子どもクラスがありまして、
基本的には子どもが稽古を受け、親は道場隅っこの椅子で見学するというスタイルです。
先生は、長年の指導経験に加えてご自身が子育て中というマインドもお持ちなので、
子どもたちの扱いがものすごく上手です。
きちっと基本の稽古内容や礼儀について教えて追いつかせる中で、笑わせ、励まし、諭す。
空手というものは直感的にいってしまえば「相手を攻撃する手段」なので、
子どもたちが道場の外でそれをどう取り扱うかについては、あらかじめ指導側や親側でぶれない軸をもって教えておかないといけない部分があります。
しかし、なんといっても子ども。
勢いや未熟さゆえに、おともだちへ過ぎた手がでてしまうこともあるでしょう。
先日は、どうやらどこかでそういう件を耳にしたのでしょう、
先生が稽古中にきちんと時間をとって、子供たちの前でお話をし始めたのでした。
「みんなは、空手の技を、友達とか身の回りの大事な人に使ったりはして、
・・・ないよね?(ジロリ)
もしも、ナイフを持った奴が襲いかかったりしてきたときに
"私は空手をやってる。アッ(ブスッ!)"
・・・なんてことじゃあ、全然空手をやってる意味がないわけだけど。
特に男はね、絶対に女に手を出したらいけない。
ものっっすごく生意気だしどうしようもなく悪い女がいたら、
・・・そうだなぁ、ペシッと平手打ちぐらいは、いいかも(笑)
女のひとというのはね、内臓は強いんだけど、体の外側の作りは、男に比べて弱く出来ているんです。
だから、絶対に大事にしなきゃいけない。
ニュースなんかで、女の人を殴ったり怪我をさせたりとか聞くとね、
もう本当にコイツ どうしてくれようか・・・、なんて思うね。
もし みんなの周りで、女の人に手を出す奴がいたら、
・・・ここに連れてきなさい(ジロリ)」
子どもたちに交じって神妙に聞き入っていた私ですが、
大人ってやーね、
選挙期間ということでたまたま先生のうしろに貼ってあったこんな感じのポスターがすべてを台無しにしていることに、ただ一人気付いてしまったのでした。