ママちゃんは最強漬け。

栄養療法とグルテンフリーをガンガンに調べて実践するママの備忘録

日本人のホリデイ気分を上げる、ハーゲンダッツ華もち

えらい話題になっているようなのにうちの近所では普通に売られ続けている、ハーゲンダッツの和風「華もち」シリーズ。

はなもちならないやつですね、二児の母です。

 

どこがそんなに素晴らしいのか?

と開発者インタビューや食感レビューを探してみたところ、あまり見つからないのでなおさら気になりまして、遂に自分で食べて考えてみることにしました。以下、いきなり口調が変わります。

 

華もちはフォース(引き出されるもの)

人間もそうだが、岐路にあたっては

新しいスキルを会得して茨の道を切り開いていくよりも、元々持っている得意なものに気づきそれを生かすやり方のほうが、すんなりとうまくいったり受け入れてもらいやすいものだ。

それを「華もち」シリーズでもって体現しているのが、ハーゲンダッツである!!

 

そもそもハーゲンダッツのアイス素地からして、コクで売れる美味しさ。

シンプルなバニラの時点で美味しいし、ナッツ(胡桃)やチョコレートや黒みつといったコク高めの具に合う。また、具に対して味わいが負けない。ラクトアイスだとこうは行かない。

これが、ハーゲンダッツの元々持っているポテンシャル・その1である。

 

競合他社について言えば、

ゴディバ・アイスのコクはおそらく生クリーム由来のガッツリしたもの。ハーゲンダッツとしてはアイスの今のバランスをさらに濃ゆく崩してまで戦いたくないし、ロイズ・アイスと「チョコレートの美味しさ方面」で争うのも、おそらく負け戦が目に見えている(なぜならロイズはチョコレートのプロだからだ)。

 

また、

ハーゲンダッツがCMで柴咲コウ様に言わしてまで我々に伝えたいことは、

「とにかく、アイスのフチが溶けかかってきた頃合いで食べて!」

である。これが、ポテンシャルその2だ。

 

華もちシリーズは、これら2つのハーゲンダッツ・ポテンシャルを固持しつつ、カップアイス界に革新を起こしたといえる。詳しくみてみよう。

 

おもちの豹変ぶり

さて、華もちシリーズのラインナップは「黒蜜きなこ」「みたらし胡桃」。

いずれも、アイスの上に大きめのおもちが乗っているのが最たる特徴だが、このおもちが非常によくできている。

 

華もちシリーズ2種のうち、おもちの変化をとにかく極端に感じ取れるのが「黒蜜きなこ」。

まずこちらを元に、「アイスのフチが溶けかかってきた頃合い」で起きる出来事を解説したい。

 

冷凍庫から取り出して、すぐフタを開けた状態の「黒蜜きなこ」。

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固めのおもちが非常にきまり悪そうに、「あっ、すいません」とか言いながら文字通りカタく正座している風なのがお分かりだろうか?芸をまだやるな、と上から言われている時間の「とにかく明るい安村」氏を彷彿とさせる。

 

ここでスプーンを入れてしまって「たいしたことないな・・・」とか言うユーザーは、嫁にキーキー言われながら畑をメチャクチャに耕している孫悟空を上空から見て「あの地球人は、すぐ殺せるな」と笑っている、通りすがりのサイヤ人と同等である。

 

「変革のアイスクリーム」という、マーケティング寄りの本がある。(※1)

これは、ロングランのアイス商品ほど、開発チームが「想定した温度で、想定した通りの食感(パリパリ、など)を出す」ことに異常なまでの心血を注いでいることが分かり、そして猛烈にコンビニへダッシュしてアイスを買いたくなる衝動にかられるという素晴らしい本なのだが、

 

華もちシリーズのおもちもまた、フチが溶けだした頃合いのアイスにシンクロするように、

 

覚醒する・・・

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どうだろう。最初のカタさからは信じられないほどのリラックス感。同じパンイチでも、最初はとにかく明るい安村氏だったが今ではレジェントAV男優のようだ。

 

食べたかたならお分かりであろう。

アイスの冷たさや固体感はまだ残っているのに、おもちはほんの一足先に、とろっとろに溶けだすのである。

 

スプーンの功罪

雪見だいふく」あたりだと、待ちきれなくてとっとと開けて、中身がかったいうちに付属棒でブッ刺してひと口ふた口で食べちゃうんで(当デブ比)、おもちの食感はあるものの「柔らかさに感動する」ほどではない。

 

対して、ハーゲンダッツ華もちは、雪見だいふくとは異なり
スプーンを使う点にも、おもち堪能ポイントがある。

スプーンを入れると、みつ・アイス・おもちの三者三味がまんべんなくスプーンに絡みついてくるのである。

 

そう。「絡む」んじゃなくて、おもちのせいで「絡みつく」。

アイスが少々ゆるくても構わない。気にならない。おもちの絡み力のお蔭で、ガップリ三つどもえの風味を堪能できるンンっ!!!!!!!!
特に「みたらし胡桃」においては、甘じょっぱいみたらしあんの融点も低いし絡みも良いしで、この点を存分に堪能できた。

 

ところで、「みたらし胡桃」に関してもう1点追記して褒めるならば。

だんごにおいて、一番人気があるのがおそらくみたらし味。元々ナッツと合うアイス素地、という自分のいいところへ、和菓子界という別チャネルから一番の売れっ子を引き抜いてコラボしてきたという目の付け所が素晴らしい。

 

 寒い季節のひとときを思い起こさせる風味

 ところで、どうしてこの時期に華もちシリーズが出ていたのかなと思うに(去年出ていて大人気だったので、今年また同じ時期に再販売とのこと)

 

みたらし団子と黒蜜きなこの風味は、日本人が寒い季節のちょっとした休日 - 神社や年末年始の店先、ひいてはこたつで食べるおやつの風景にフィットするものだからではなかろうか。

アイスが混じっていても、温かいところで一息つきながら口にしているような、ほっとする味なのよね。

おこたで食べるのはチョコ、じゃないだろ。みたいなことにハーゲンダッツはいち早く気づいたんだと思うわ。

 

つーわけで、ワスらどう頑張っても日本人ですから、クリスマスは25日の朝まででいいし、とっとと年始のお参りを楽しむ準備を始めましょう。

 

(※1)参考文献

変革のアイスクリーム---「V字回復」を生んだ13社のブランドストーリーに学ぶ