万年筆インク画家です。
インクで描く以外の活動も、遊びのように色々やるようになりました。
「コガネイチーズケーキ本店」の壁面チョークアートは、過去記事をみるにちょうど1年が経過しました。たまに元店員のかたが描いていくこともあるようなので、ゆるめに継続中です。
先日は、
・新しい道具を使いながら
・自分らしいものを描く
というチャレンジをしてきましたのでご紹介します。
この視点からシンメトリーに見えることを心がけたので、計測(目印つけ)に時間をかけました。1時間かかっちゃったのでスピードアップをはかりたい。
1mのアルミ定規を使用。壁面左右すその下側から10cmずつ印をつけて、必要な大きさの目盛りを粉チョークで描いたところ。
花の下絵を粉チョークでかるく入れ、遠くから見て花のすき間のバランスを考えてから、本番描き。
細かく付けた目印と新しい道具「ポストチョーク(ウエットワイプ)」のお陰で、本番描きはスイスイはかどり、1時間程度で完成しました。
実に描きやすい。ラクに線が伸びるって、ほんとそれだけで楽しいんです!
こういう道具が出たことで、看板や壁面へ描く敷居がさらに下がってそうですね~!
「ウエットワイプ」タイプは、水拭きしたときに落ちる。ということは、粉チョークで上からなんか描いても落ちない。
ということで、マーカーとチョークのダブル使いをやってみました。
色は白のみで統一。
ポストチョークで描いた上から粉チョークを横使いしてゴリゴリ平たくチョークを付け、ボンヤリしたハートを描いています。母の日付近なのでカーネーションを描こうと最初は思ってたんですけど、花のボリュームがけっこうでかくて派手派手になるので、ナズナにしました(1年前の同時期もナズナ実写版を描いています笑)
メッセージの "Thanks" は父の日にも使えますし、「1枚で何度もおいしい」アートにしておくことは(時期を決めて頻繁に描くという契約を交わしていないので、お店と描き手双方において)けっこう大事です。
ここの黒板壁はでこぼこした素材で、いい具合に粉の白さがほんのり残ってシャビー感が出ているから、マーカーだけでパキッとアーバンに描くよりはぼんやりした風合いの絵が似合います。調度品もシャビーシックで統一されているのでなおさら。
最近絵の先生から「ゼンタングルいいよ、是非やってみて!」とお誘いいただいたので、ここんところ連続した幾何学模様を描きたくなっていました。そこで、ナズナをこういう連続した模様のような描き方にしています。
絵の下のほうはどうなっているんだろう?とのぞき込むお客さまがけっこういらっしゃるとのことなので笑、全体としては下のペン描きのように縦長に描いてあります。
はかなくて優しげな、モチーフや線づかいが好きです。今回のチョークアートも、普段のようにインクで線を引く下絵からはじまっているから、そこは変わりません。
現在日本でもチョークアートは活況で、ひとつの職業として成立するに至っています。黒アイアン・レンガ・コンクリートといった屈強なインテリアに似合う、パキッとかっこいい感じの「ブルックリンスタイル」が主流です。皆さんが目にしている「カッコイイ系」は「あー、ブルックリンスタイルだ」とほかの人にしゃべって頂いてOKです。
「どこもかしこも駐車場~♪」は森山直太朗さんの名曲ですが、看板や壁に描かれたアートを見るに「どこもかしこもブルックリンだわ~♪」なんて思う。
ということは、その流行はどこかで一気に廃(すた)れます。
なのでやはり、自分の好きな雰囲気やかたちをチョークアートというキャンバス・画材を借りて落とし込めれば、それでよい。お店に貢献することが第一ですが、自分のスタイルは通していこうと思います。いつもと違うキャンバスの前に立たせてもらうことで、自分の表現したい揺るがないものを再確認するよい機会となっているように、今回は改めて感じました。
こちらのチョークアートは一か月ぐらい展示していただくことになるかと思います。
お店のチーズケーキは「おいしくて体にやさしい」をモットーにしていて、なかなか人気があるようです。是非本店のほうへ足を運んでみてくださいね!