ママちゃんは最強漬け。

マニアックに調べ上げるアーティストママの備忘録

基本は変わらない、ひとつの同じこと

万年筆インク画家です。心の拠り所として空手の稽古を続けています。

 

画家になることを決めて活動し始めたこともあったし、子どもたちのイベントも多かった、夏にかけてずっと仕事(うなぎ屋さんの手伝い)も忙しかった。言い訳はたくさんあるけれど、稽古に行く回数が昔より少なくなりつつありました。

仕事休みの平日は絵のことをがんばろうかと思っていたんだけど、週に一度も稽古に行かないのはなんだかきもちわるい体質になっているようです。

 

今日も「稽古に行けてよかったな」と思いながら道場をあとにしました。

 

せんせいは今、組手(試合みたいに殴る蹴るすること)の前になすべき「基本の所作」をとても大切にしておられる。稽古の内容、最近の出来事のおはなし、全てが「強さって何だろう?」というところに行きつく。

本日のたいせつなトピックスは2つ。

うまくいかない、なんて当たり前

長く続けていることに対しても、すごく些細な挫折やうんと小さな怪我がきっかけで気持ちが折れてしまい、すっぱりと辞めてしまう人っています。それに対して先生が

「なんでもうまくいく、なんて思ってるんですかねぇ。自分はうまくいったことなんて、・・・ないですけどねぇ。」

と笑いながらおっしゃっていました。

わたし自身も、まじめ時代(笑)に何度も空手を辞めようと思ったんですが、良くも悪くも「ゆるさ」を持つことで10年も続けてこられました。

うまくいかなさ、は絵を描いていても毎回感じることです。なんせ、王道のデッサンをすっ飛ばして本能で突き進んでますからねえ。それでもまぁまぁ、インクさんが勝手にいい感じに仕上げてくれたりして気に入るのが描けたりするんで、もうこれでいい、これを続けていくだけ、と思っています。だってわたしはもう人生を半分過ぎていて、時間があまり残されていないんですから(長生きする自信はあるけど)。

 

基本はかわらない、ひとつの同じこと

武道の立ち方というものがあって、ちょっと脚の内側に力を入れると「サンチンの型」の立ち方になり、つま先の向きを揃えると「ナイファンチの型」の立ち方になり、そこから片足だけ一歩前に出て拳を握ると組手の立ち方になります。
繰り返しになりますが、すべてひとつの同じ立ち方からほんの少しだけ変化しているだけだし、いずれも内面(重心と心持ちと骨バランスになんかを加えたもの)は同じ。

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使用インク: 京の音「秘色」、色彩雫秋桜


わたしは今、いろいろなスタイルの描き方を試しながらいろいろなものを描いているところなんですが、そこに「同じもの」は一本通っているっけ?・・・ああ、通してきたつもり。結局のところ、滲み出てしまうものがある。
再確認させられました。

 

以前よりも

「これは、せんせいが折角その生涯をかけて教えてくれようとしてくれていることなんだから、ひとつも取りこぼすまい」
と思ってせんせいのお話を聞くようになった自分が居ました。これは、あまり来られなくなったからせんせいのお話を新鮮に感じる、ということではなくて。

「毎日絶えず、ひとつの道を進むということ」の難しさや自分なりのこつを考えるようになったからかなと思います。

 

 先生は空手を何十年も辞めていない。そのことを、「先生」なんだから当たり前、とはもはや思わないです。