ひとりめがだいぶ大きくなっちゃったんで、二児の母です、という自己紹介もうやめようかな。a.k.a.二児の母です。
ショートの髪にはオイルとワックスを手のひらで混ぜたものをこすりつけていて、
「これは、地元の長年お世話になっている美容師Aさんが教えてくれたやつ」と毎回覚えているのに、今朝に限って、はっとしました。
たったひとりという身体で産み落とされて、死ぬまで誰かと物理的に融合することは、決してない。
家族はいるけれど、ずっと誰かと一緒にくっついて生きることはできない。
Aさんとだって、遠く離れているし、お店に伺うとき以外のやりとりは一切ない。
けれど、わたしの暮らしの中にはAさんの技術が溶け込んでいる。
遠い昔にいただいたガラスペンで絵を描き、先生から教わったインクにそれを浸す。
毎週1度むすめの髪をシニヨンにするときのピンの止め方は、引っ越していってしまったママ友が教えてくれたやつだし、
先日ギャラリーで知り合ったかたが教えてくれた材料を加えて、これからはチャイを作るだろう。
わたしの暮らしを組み立てているのは、大切だと思った人たちとの記憶。
少しだけ、ほっと息を吐く。