(1つ前からの続き)
自らに湧き出た極上の愛をビシビシ感じながらブッ(;゚;ж;゚;)・;'.、、
道着にきがえて支部道場にて整列し、審査本番を迎えました。ここからは真面目です。
だがいかんせん小柄なので、背の順で並ばされたら小学生の少年少女たちの間に入ってしまいました。いつだって子ども扱いです。
最初に学科(決められた文章の丸暗記)を、紙と鉛筆をいただき畳場に座り込んでカリカリ書きます。何度も書いて覚えましたし家を出る直前にも完璧に書けたことを確認してきたのに、本番っておそろしい。
ここ、「て」だっけ?「と」だっけ・・・?
と悩む箇所が一点、生じてしまいました。
文章的には「て」だろうが「と」だろうが意味はちっとも曲がらない箇所ではあったのですが、先生からは「ちょっとでも手本と違ってたらアウトだから!!」とケツを叩かれていたので、悩みながら提出をしたあとも
「違っていたかもしれない。ここからどう頑張っても、今回は失格かもしれない。」
というおおきな暗雲を心に引きずることになりました。
ただ今回は、そういう自分をどこか遠くから冷静に見ているような部分もありました。
この日は、わたしの級のかたがたの他に、もう1つ下の級のかたがたも同時に審査を受ける日でした。
審査が進行し、ジャンピングスクワットのやりかたが「思てたんと、違う!!!」感じで、生まれたての小鹿動画早送り同等にヒザをガクガク震わせたりしつつ・・・も、
受審者の中には、夏の合宿にて一緒に稽古をした、他支部のいかつい男性陣のかたがたもいらっしゃることに気づきました。
自分に心の余裕があるわけではないけれど、同じ道場のかたがただけではなくて、こういう少し見知ったかたも、応援したくなる。
応援することで自分の不安な気持ちを追いやる、という戦略でもない。
今日は、一緒にがんばる。
休憩中に、そのうちのおひとりが「(今回の審査内容はけっこう細かく見られて)ヤバイっすねっ・・・!」とこちらを振り向いておっしゃったときに
「(あなたも、きっと)だいじょうぶ。」
と咄嗟に言えた自分がいました。
やっぱり、これです。(審査前に聴いた曲)
♪ ひとりじゃない ひとりじゃない ひとりじゃないから。
1つ下の級の、型の審査はやり直しが多くて時間がかかりましたが、
わたしの級の同審査は、全員で一斉に披露したところ、スパッと一発で終始揃いました。
だから、あっという間に済んだし、誰も型では落とされない。全員にありがとうを言いたかったぐらい。
♪ ひとりじゃない ひとりじゃない ひとりじゃないから。
この日に強く理解したのは、「審査は、ひとりで受けるものではない」ということ。
試練の場を用意してくださった師範、
ケツを終始叩いてくださった先生、審査を見守ってくださったかたがた、
というその場にいらしたかたがただけではなく、
トレーニングの話をSNSに書くと「いいね!」で応援してくれた遠くや近くの友達、
練習や審査に送り出してくれた家族、
家族に何事もないように見守ってくださっている職場のかたや学校の先生がた、
悪さはしない近所の女装ホームレス、などなど
わたしに繋がるほとんどすべてのかたのお蔭で、無事に審査を受けきることができたという事実が体に沁みて。
前回の直前編では息子に対して「ありがとう」と思いましたが、その言葉が自分から全方位へ向けてブワッと広がって、審査項目のすべてが終わりました。
・・・ああ、「この項目をもう一度やりなさい」と前に引きずり出されずに済んだな、つつがなく終わったな。
と思った矢先に、学科でミスったかもしれない件を思い出して、また落ち込みそうになりましたが、
落ちても、今の気持ちならまた、同じことがんばれる。
と腹をくくっている自分もいました。
締めくくりの師範(道場全体に於いて一番えらくて強いかた)のお言葉の中に
「大変だったと思うし、これからも大変なことはある。けど、
くじけないでね 」
という一言があり、そんな自分の背中を押していただいているように思いました。
審査が終わってからは珍しく、審査を受けた同じ道場のおじさんがたと集まってごはんを食べて帰りました。足をひきずっているかたもいましたが、たくさん笑って、それぞれの健闘をたたえて、帰りました。
♪ ひとりじゃない ひとりじゃない ひとりじゃないから。
そして、帰宅してから「今更なにやっても無駄だけど、いちおう。」と学科の手本を見直してみると、
・・・わたしが書いた内容で、正解だったことが判明しました。
あれだけ「ダメかも」と悩んだけれども、まったくの杞憂だったというパターン。
やはり、心の持ち方というものの影響力はあなどれない・・・という勉強にもなりました。
終わった今だからわかるんですけど、
たった一日でこれだけ感情の起伏に富んだ日というものは、今まで生きてきて
他になかったです。
翌朝は、起きた直後から「終わった!」「やったー!!」という達成感がものすごくて、意味なくベランダに出て曇り空を見上げていました。
この日の空は桃色や藤色や、ずいぶんと様々な色合いの雲が複雑に重なっていて、
そんなのがちっぽけな自分よりずっとずっと上にある様相がたまらなく美しくて、
時間に追われる朝にしては長いこと 見上げていました。
自分の未熟さやちっぽけさに気づいたから、わかる、そして憧れる美しさだったのだと思います。
その刹那、
審査の最後に行われた組手(殴る蹴る)において、せっかく知り合いのかたが相手として選ばれ、そのかたもこちらが痛くならないよう配慮してくださりつつ上手にきれいな技をスパスパ出してくださっていたのに、そのかたに思いっきり殴りかかってしまっていた自分に気が付いて、こうなっていました。
♪ 生きろ 生きろ 生きろ。