昨日午後から空手の昇級審査に行ってきました、二児の母です。
これは次の級の帯をもらうための試験で、学科(決められた文章の丸暗記)、基本稽古の所作、型の披露、組手(戦い)数ラウンド、をそつなくこなす必要があります。
普段はゆるやかに武道系の基礎稽古をしています。今回受ける審査が通ると、黒帯じゃないですが「上級者と呼ばれる色の帯」をいただくことになるので、ここ一か月ぐらいは久しぶりにマジになって(ムキになって?)審査項目に基づいた稽古をしていました。
子どもの用事や家事に経理業務も積み重なってくる日常の中で、道場に出向く時間を確保するのも工夫がいりましたし、(ふだんは子どもと向き合うように気を付けているので)子どもたちが寝付いてからようやくちょっとした自習をリビングでしたり、まさに先生が仰る「日常の中に取り入れる空手」を実践してきた日々となりました。
・・・審査のあとから伺った話ですが、「帯に育てられる」という言葉があるらしいです。
もともと、あがり症です。審査の日にはおなかもちょっと壊し
「トーストに塗った、残り少なかったキャラメルジャムが、古かったかもしんない」
と思っていましたが(なんで大事な日に、ケチ根性だしてリスキーなものを食べるかね!バカ!!)、ひとり審査地へ出発したあたりから珍しく胃まで痛みだしました。
ということは、古いジャムはさておき、(やることはやり尽くしたつもりだったものの)身体に影響をきたすほどに緊張していた、ということでしょう。
そのとき、手元のミュージックプレイヤーに、先日うちの子が小学校運動会で過酷な組体操をやったときに使われていたテーマソングをダウンロードしておいたのをふと思い出し、なんとなく聴いてみたところ。
そこから沸き上がったのは、ただひたすらにうちの子への愛と、感謝でした。
♪ ひとりじゃない ひとりじゃない ひとりじゃないから
♪ 未来へ かける
そうなんだよ。うちの子が。
たいへん不器用で怖がりなうちの子が、よくわかんないけどやらなきゃいけない組体操のハードな練習に巻き込まれながら、ひこうきのポーズで上に乗る子がつかむ手が自分の肩に食い込んで痛いと、泣きながら帰ってきていたうちの子が、
本番では学年全員で完璧な演技を見せてくれたんだったよ。
(先生たちが裏でも表でも手厚いケアをしてくださっていたけど)君はきっと、大人でそれなりに経験積んでるわたしなんかより、たいへんな思いをしてがんばっていたんだよね。
そうなんだよ。たいへんな思いをしているのは、わたしだけじゃない。
そして、いま審査場に向かいながら不安を抱えているのは、わたしだけじゃない。
今日の審査を受けるメンバーには、同じ道場の少年少女・おじさん・同年代のママもいるし、他支部道場からも同じようなかたがたが来るんだものね。
わかりづらい発達障害をもつうちの子のことで、困ることや不安になることも多々あったけど、この考えにつなげてくれたのは、うちの子がわたしの子どもだったおかげだ。
うわっ・・・!?
生まれてくれて、本当にありがとう・・・!!!!!!!
衝動的な愛を感じながらわたしは、審査場となる本部道場へ入ることとなりました。
まさか、こう来るとは。と自分でも思っていました。
(後半へつづく)