(今年の初夢は、珍しくバッチリ記憶できたので記録に残しておきます)
※若いころ、田舎の地元を赤いモンキーバイクで移動していた時期があり。
深夜、クソ寒いはずの地元田舎の住宅街にて、街灯もないまま一人佇んでいた。
(今はもう行方知らずの、かつて地元で10年ほどお世話になっていたYという美容師さんがいて)
ちょっと若返っているわたしは、Yさんに予約したヘアカットに行くべく
じーっと道順を脳内シミュレートしていたのだった。
「ダメだ!徒歩だと遠い!!
あと、この道順だと遠いから、山道をまっすぐ抜けていくルートで」
と決めたところでいきなり場面は転換し
真っ昼間に愛車モンキーへまたがってその山道へ突っ込んでいるのであった。
思いがけないほどの坂道な上、2回ほど子どもがダーッと横断してきては急ブレーキをかけ
その子の落とした大きなゴムボールをもちながら片手で坂道発進しようとしては「ムリッ」と思いとどまり。
ガソリンそろそろ無いかな・・・と心配になってきた辺りで、
土埃漂う一車線国道に出た。
ガソリンスタンドの看板を探しながらカーブを走っていると、
土木関係の会社らしいんだけどどうもアウトドアな・・・トラクターや小型ショベルカーやらがごつごつしたむき出しの地面に転がしてある一帯があって、そこにエネオスの看板が立っていたので、そこの近くで愛車を止めてガソリン用のポリタンクを手にとった。
これには2リッターしか入らない。
日差しは強く、薄汚れたタンクトップから出ているわたしの肩をじりじり焼いた。普段あれだけ洋服に執着しているのに、いざというときはいつだってどうでもいい恰好だ、と心の中だけで自分を笑う。
日に焼けると途端に赤くなる肌質のはずが、ここではほどよくサンタンしていた。
田舎では、若い女がバイクに乗ってるだけで珍品のようにじろじろ見られるので
降りて歩くときにはアーミータイプのグレーキャスケットを目深に被り、うつむき加減で。
茅葺きを丸太でくくっただけの門をくぐると、休憩中だろうか、
汚れた作業着の若者たちが一斉に「チャース!」だの「来たっぺが!」とか言いながら、初対面のわたしをピカピカに灼けた笑顔でワーッと出迎えてくれた。
ここではみんなおそらく中卒高卒ぐらいで働いているから、ガタイは立派だけど屈託ない彼らの様相は、アジアの村の子どもたちそのものだ。
すぐにボスらしき女性が笑顔でやってきた。
締まった体に色褪せたシャツと作業カーゴパンツ、泥まみれの黒いゴム靴。
若者たち同様輝く灼けた笑顔に、元気なピンク色の口紅。細いロッドで巻かれて焼けたキンキンの茶髪。
わたしよりちょっとだけしか年上でないのかもしれない。
「すみません・・・ほんの少し、2リッターほど。よければ、ガソリンを買わせていただきたいんですけど」
「いいよ~いいよ!この蛇口から出っから!ホラホラ~!」
彼女は地面から生えてるような蛇口をジャッと開けてダダ流しにしながら、小さなポリタンクになみなみとガソリンを入れてくれた。
「ありがとうございます。おいくらでしょうか・・・?」
「えーっと、3000まんえーん!なんちゃって」
大勢集まった若者たちはワイワイ。小銭を払ってお礼を言うと、みんなで笑った。